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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする
NMR Win News!! 2回発行/月 2009.6.16 Vol.70
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/
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いよいよ感動職場の作り方の最終回を迎えました。これまでの3回シリーズは、御社の職場、
ご自身の職場での参考になった点はあったでしょうか。
是非とも、この全4回シリーズのメルマガ情報なども参考にしていただきながら、職場・組織活性化の
一助としていただきたいと願っております!!
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全4回シリーズ 『感動職場の作り方C』
第2回
先輩と後輩がともに成長する
「前回相談した案件が獲得できました」「難しい案件だったけど頑張ったね、今度ご馳走するよ」。M社の法人営業部門が若手のRM担当者(営業担当:RMはリレーションシップマネジメントの略)向けに、2007年から開催している勉強会「M塾」のひとコマだ。入社10年目程度の中堅行員が努める塾頭を、様々な支店から集まった2〜4年目までの若手行員約10人が囲み、顧客とのコミュニケーションの取り方などを半年かけて学ぶ。塾頭は会社から指名されるが、若手社員の参加は任意。これまでに505人が参加している。全国で21の塾が開講中だ。M塾は、昔あった独身寮の食堂をイメージして作られた。そこは所属する部署以外の先輩に、気軽に相談できる空間だった。年齢の近い他部署の先輩と食事時間にたまたま一緒になると、抱えている悩みを気軽に相談できた。食事以外の時間でも大きな机を使って書類を広げていると、たまたま居合わせた先輩に仕事のやり方を教えてもらえることもあった。独身寮が主催する飲み会や運動会といった恒例行事も多く、先輩との接点がたくさんあり、強い連帯感を生んでいた。M社の法人営業部門は、中堅・中小企業の顧客が多い。経営者の悩みを引き出す会話術が重要となる。独身寮は顧客との会話術など研修テキストに落とし込めないノウハウや考え方を、先輩から後輩へと受け継ぐ機能を果たしていた。法人グループを担当する常務執行役員のS氏は「私自身も2つの寮で生活していたことがあった。顧客との接し方など多くのことを学んだ寮だった」と振り返る。だが、独身寮が借り上げマンションに変わったり、情報セキュリティーの高度化によって顧客情報が入った案件に関する書類を職場から持ち出せなくなったりと、昔とは大きく環境が変わってしまった。その機能を代替するのがM塾なのだ。
M塾は既存の研修とは一線を画す。人事部門の担当ではなく、営業強化に必要な施策の一環として法人営業部門が独自に取り組んでいる。事務局を担う法人業務部参事役のS氏は「人事評価と連動するものではない。自主性に任せた手弁当の勉強会の会合」と言う。会議室代などの諸経費は会社が負担するものの、運営方法は各塾頭に任せている。勤務終了後の19時頃から、外部の会議室を借りて月1回集まる。「2時間程度議論し、その後は親交を深めるために飲み会を開催する塾が多いようだ」とS氏は話す。研修のように人事部門が段取りをして受け身で参加するのではなく、参加者がそれぞれ会場の予約やレジュメの作成などの役割を担って参加する。S氏と同じく事務局を努める調査役のN氏は「飲み会のように砕けず、会議のようにかしこまらない場を目指している」という。塾では毎回、参加者が今抱えている悩みを題材に議論する。基本的な財務や営業の知識を研修で身に付けても、実際の営業の場では顧客とうまくコミュニケーションが取れなかったり、社内の部門との調整が円滑に進まなかったりして、仕事が進まないことも多い。塾頭は自らの考え方や体験談を一方的に押し付けず、参加者の悩みを聞きながら、研修では教えないテクニックを伝授する。例えば、ある若手行員は不動産を担保にした融資案件が本部の審査部門を通らず悩んでいた。まずほかの参加者で、同じような案件をやったことがあるかを聞き、体験談を話させた。そのうえで塾頭は、自らの経験の中から同じような案件でどう上司を巻き込み、審査部門を説得したのかを話した。ほかの参加者にも「勉強になるから、1回稟議書を書いてみたほうがいい」と1人だけの課題にならずに共有できるように工夫する。ほかの参加者の悩みを、自分が今抱えている悩みに当てはめることで納得し、自らのノウハウにしていくのがM塾の狙いだ。
S氏は各塾頭に対して成功体験だけでなく失敗した体験も話すように依頼している。「仕事ができる先輩」である塾頭でも若いころにはたくさん失敗した。それを話すことが参加者には励みになる。塾頭の1人であるY支店法人営業課で課長代理を務めるI氏は「自らの体験を伝えたいが普段は忙しく伝えにくい。若手に伝えることで自分自身にも気づきがある」と話す。教える立場となって、皆から意見を引き出しつつも、自分の経験をどう伝えれば理解してもらえるのかを学んでいく。後輩を育てることで、組織に貢献している実感を味わえる。M塾が企画された背景には、OJT(職場内訓練)が機能しにくくなってきたという事情がある。不良債権処理に追われて1990年代後半から新卒採用を手控えてきたが、2003年以降採用人数が年間約2,000人と急増し、支店によっては入行5年以内の若手行員が40%を占める支店も出てきた。これでは先輩と後輩の1対1の教え教えられる関係が構築できない。「最前線の現場が若手に代わっている。目指す姿を示してM社での働きがいを感じてもらえるような仕組み作りが必要だった」とS氏は話す。「ほかの支店の先輩とも情報交換ができたことは非常に良い経験となった。新しくできた仲間とのきずなを大切にしていきたい」「職場の中では、なかなか時間をかけて先輩にノウハウや取組み姿勢を聞く機会を作れないので本当に有意義だった」といった意見が参加者から出るなど、M塾は働きがいを見いだせる場として機能し始めた。ある塾では最終回に塾頭を胴上げしたという。「目指す先輩像を見つけられるなど塾がよい刺激になっている」とS氏は手応えを感じている。自主性に任されているM塾だが、実はよりどころとなる行動憲章が存在している「B憲章」がそれだ。M社のRM担当者としての理想像を、優秀なRM担当者50人にヒアリングして10カ条にまとめたものだ。全担当者がこの憲章に基づいて行動できるように、行動憲章を記した名刺大のカードを全員に配っている。ただし「創造せよ。『自分ならでは』を供しているか、常に自問せよ(第10条)」といった全10項目は抽象的であり、人によってとらえ方が異なってしまう危険性がある。この10カ条を肉付けして若手行員にも浸透を図ることが塾の役割だ。行動憲章に沿って塾頭が自らの経験を話すことで憲章を腹に落として理解しやすくする。「銀行の戦力は、人材が全て。これらの取組みを通して育てていきたい」と常務の鈴木は意気込む。
先輩が後輩の面倒を見ることを制度化した先駆者といえるのがA社だ。営業担当の新入社員が5月から8月の仮配属期間中に、先輩社員からみっちり仕事の基本を学ぶ「B制度」の歴史は数十年に及ぶ。従来は配属拠点の上司が先輩社員を指名していたが、2007年からは公募制に変えた。「やらされ意識ではなく、意欲を持って後輩の指導に取り組む人材に新人を任せるため」と人事部副主任のI氏は説明する。先輩社員を務めても人事評価には直接反映しない。それでも新人の世話を進んでやろうとする社員が果たしてどれだけいるか。人事部のそんな懸念は全くの杞憂だった。新入社員48人に対し、名乗りを上げた先輩社員は78人。申請書には「会社の宝である新入社員にA社のDNAを伝えたい」「責任を全うすることを誓います」といった貢献感に満ちた熱い言葉がつづられていた。自分が先輩にしてもらったことを後輩にもしてあげたいという思いの強さは、面倒見が良い風土ならではだ。後輩を教えることは自分の成長にもつながる。公募制の導入に伴い、先輩社員に後輩育成の基本を学ばせる1泊の合宿研修を実施した。「新人には『やる気』はある。『やれる気』を引き出すのが先輩社員の役割」「『叱る』も重要、『怒る』とは違う」。合宿で配布される育成ノートは、A社の新人育成の基本を初めて明文化したものだ。2008年にM支社中央支店で新人のT氏の先輩社員を務めたN氏は、「仕事のやり方や流れを教えるだけが先輩社員の役割ではない。お得意先への姿勢など内面にかかわることを、押し付けにならずにどう教えるかを考えるのは大いに勉強になった」と話す。2カ月みっちり同行した後は、1カ月、T氏1人で得意先を回らせた。その後再び同行したN氏は、1カ月の成長ぶりを褒め、T氏の貢献感を高めた。自分を見守ってくれる職場の先輩達と強い連帯感を感じることがT氏にとって成長への原動力になった。
「人材育成という言葉は当社ではぴんとこない。人は自ら成長していくものだから」。A社常務取締役常務執行役員で人事を統括するK氏はこう話す。「だから仕事の実践の場で成長できるよう様々な支援策を講じる」支援の対象は新入社員だけではない。2007年からスタートさせたキャリアカウンセラー制度は、入社3〜5年目の社員や中途入社の社員をサポートするためのものだ。専任のカウンセラーが数カ月にわたって全国の拠点を行脚し、若手社員の進路相談に乗る。カウンセラーは定年退職した2人のOBだ。目的はあくまでも今後のキャリアパスの相談に乗ることだ。ただし、じっくり対話する過程では社員の悩みも漏れてくる。仕事がマンネリになって閉塞感を感じていたり、伸び悩んで思うような仕事ができないことに焦っていたり。カウンセラーはそうした悩みを受け止め、自分の可能性に気づかせる。聞く姿勢と押し付けがましくなく自分の経験を語る技術、懐の深さを備えた人格者が、カウンセラーに選ばれている。面談の後は、若手社員がカウンセラーを囲んで飲みに行くのが恒例だ。お礼のメールを出す社員も多い。会社を「卒業」しても後輩のために自ら動く大先輩の姿を見て、「自分もああなりたい」という社員の貢献意欲が高まっていく。
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本シリーズは、「感動職場の作り方C」を対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界の実務事例をもとにした経営情報をご提供していきますので、次回のテーマにもご期待下さい。
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