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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする
NMR Win News!! 2回発行/月 2008.9.16 Vol.52
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/
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9月も中旬になりましたが、まだまだ暑い日が続きます。
寝冷えなどで風邪をひかれたり、夏パテが、今頃になって響いてくることもありますので、体調管理には配慮いただく季節となりました。
いよいよ、社内資格制度の最終回です。社内資格制度の必要性や目的、導入のメリット、具体的な内容などをつかんでいただけたでしょうか。
今後、このような取組みはますます活発化していきますので、みなさんの会社のご参考にしていただければと願っております。
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全4回シリーズ 『社内資格制度を活用してスキルの向上と定着を図る』
第4回 社内資格制度の設計と効果的な導入・運用法についてC
社内資格制度設計の手順
(1)社内諸制度や外部の資格制度などとの位置づけの明確化
既存の社内資格制度や外部の資格制度などがある場合はそれらとの関連を整理しておくこと。また、自社の職能等級資格制度との関連についてもその位置づけについて検討しておくこと。できれば具体的に現社員を対象にモデル化し、具体的なイメージをつくってみることも必要である。
(2)資格名称と職務難易度の設定
社内資格制度では、資格名称をどう設定するか誰もが分かるものでなければならない。また、その職務の難易度によって3級・2級・1級といったようにランクをつくり成長ステップを設けていくケースもある。以下の各要素を明確に設定することと、マニュアルや教材づくりなどは、職務分析を行って製作することが多く当社もこの分野ではかなり関与させていただいている。
(3)職務基準をつくる
職務基準とは、社内資格で仕事として何が要求され、どんな内容の仕事をこなさなければならないかを明確化するものである。課業は、その職務をさらに具体的に細分化して仕事の内容を示したものとなる。社内資格においては、「できている」「できていない」を評価することから、この職務基準の設定は大切なものとなる。
(4)職務遂行能力基準をつくる
職務遂行能力基準とは、上記の職務をやり遂げるためには、いったいどのような職務遂行能力が必要なのか、それはどの程度のレベルと内容でなければならないのかを具体的に明示したものである。ここでは、レベル差や目標を数値で設定するのが望ましい。
(5)職務遂行能力基準を具体的に「習得すべき能力」として明確化する
その社内資格の職務に必要な能力として、知識や技能の内容を明らかにすると共に、それに対応する「マニュアル」とか「教材」のあり方を位置づける。ここでは、関連業界や協会などの資料も収集し、幅広い汎用力のある検討が必要とされる。例えば独立法人である雇用能力開発機構の調査・研究開発事業報告書で業種別の能力体系を参考にするとか、前述のビジネスキャリア制度におけるガイドラインを能力体系の参考として検討してみることも有用である。
(6)相互的な内容精査を行う
全体系が整備できると、それぞれの精査を行う。中身について要素が網羅されているか、難易度の上からバランスがとれているか、法律に関わることは専門家のチェックを受けるなどである。最終的にはトップの戦略方向にマッチしているか、その成果が確保できるかのチェックが必要となる。なお、あえて職務分析の用語を使用したが、ここでは曖昧な用語を使用すると曖昧な中身しかできないということからの理由だが、おおむねこれに準拠した進め方ができればその目的は達成できると考えた取組みでよい場合もある。
運用制度設計の手順
(1)資格認定試験の実施
年に1回か2回の認定試験日の設定、受験対象は応募を募る方式が一般的である。なお、内容によっては経験年数が前提となる場合もある。知識面の筆記試験と技能面の実技の組合せさらに面接などが内容となる。試験の主体は、部門であったり委員会や協議会などだがステイタスの高い設定が認知されやすい条件づくりとなる。
(2)認定方法と認定後の対応
この場合、自社で要求する技術品質レベルを設定、合格点は60%程度に設定しているところが多い。また、合格者の処遇と不合格者へのフォロー対策であるが、合格者にはインセンティブの設定と結びつく形が望ましい。目標達成に向けてチャレンジしてきた結果に対する会社の評価を具体化することによって、本人の達成感の醸成と他の社員に対するチャレンジ意欲とモチベーションづくりにつながる活用にするべきである。もう一方で大切なのは、不合格者に対するフォローである。合格できなかった原因などについて、上司と面談し、次回へのチャレンジ意欲を継続させていく必要がある。
(3)試験の事前告知
社内資格制度認定の試験を行う場合は、事前案内のタイミングと方法、受験申込みと受付の方法、試験当日の進行と管理体制、さらに採点・評価方法と体制、採点結果の発表など実務的な分野の詳細な計画をしっかりつくりあげておく必要がある。
(4)事前トレーニング方法の設定
マニュアルや教材のあり方を明確にすると、研修機会をつくる・自己啓発機会をつくる・技能習得機会をつくるなどのトレーニング体制の設定についても明確にしておかなければならない。
(5)社内資格制度のリニューアル
社内資格制度の内容は、社内外の環境条件の変化によって形骸化・陳腐化する部分が生じてくる、その定期的なチェックが重要である。一度、構築した制度だから、そのまま将来にわたって継続というわけにはいかない。自社が置かれている環境や会社自身の変化にフレキシブルに対応していくものでなければならない。特に法律などに関係する部分については、法改正など日頃から情報収集しメインテナンスを怠ってはならない。
効果的な運用を行うための留意点
これまで述べてきた内容で、社内資格制度を効果的に導入・運用するための重点ポイントとしてまとめると、つぎの事項となる。
●企業が求めるあるべき人材像を職務と難易度で明確に設定すること
●資格制度について会社と社員双方の意識共有を図っておくこと
●資格制度について社内広報等で認知の徹底と機運づくりを行うこと
●合格者へのインセンティブと不合格者へのフォロー施策を考慮しておくこと
●社内資格制度は、環境適応できるよう定期的な見直しを行い、つねにメインテナンスを配慮すること
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本シリーズは、「社内資格制度」を対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界の実務事例をもとにした経営情報をご提供していきますので、次回のテーマにもご期待下さい。
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