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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする      
NMR Win News!!       2回発行/月   2007.6.1   Vol.21      
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/                            
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 最近、暑い日が続いています。
毎年この時期に「5月末でこんなに暑いなら、真夏なんて耐えられない・・・」とウンザリするのですが、
その頃になれば、案外、平気に過ごしています。不思議なものです・・・
それでは、今月も張り切ってがんばっていきましょう!!

 このメルマガでは、皆さんの会社に役立つ経営支援情報を定期的に発行している情報誌です。
これを読んで、是非、21世紀に躍進できる会社経営をしていただきたいと願っております。

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全2回シリーズ 『接客スキル』

第1回 カリスマに学ぶ接客術

「思いを伝える4ヶ条」
〈第1条・こだわり〉
 あるガソリンスタンドのタイヤ拡販計画。多くのドライバーにとって、差し迫って買う必要の無いタイヤ。しかし、このスタンドの社長はニューズレターを通してタイヤの空気圧の重要性を繰り返し説いた。あわせて空気圧の点検実施のキャンペーンを展開し、多くの顧客を啓蒙した。
 タイヤと空気圧の大切さを再認識した人が、タイヤの購入に動いた。売るための販促ではなく、買うべき必然性を丁寧に説いたスタンドの熱意が顧客に伝わった事例だ。
〈第2条・関係作り〉
 イベントを通じて患者との関係をつくる歯科医の話。母の日・父の日には、院に通う子供の患者たちに、父や母への感謝の言葉を書かせて父母へ渡す。「カブトムシパーティー」は、ペットボトルに土と幼虫を入れて観察セットを作ったり記念撮影をしたりして楽しむ。診察とは直接関係ないが、医師の人柄が患者の輪を広げた。
〈第3条・決めゼリフ〉
 あるマッサージ店が顧客にイオン式ヘアドライヤーを販売する話。最初のDMは商品の特徴を伝える通常のもの。二通目は「おわび」として、前回売り切れて一部の人に迷惑をかけたが、もう一度販売するという通知と、購入者の感想を添えた。
 三通目は「今回が最後」とし、「製品元に在庫がなく配送が遅れる」と書くと、さらに売れた。たかがDMだが、工夫一つで文章に宿る‘売る力’が格段に違ってくる。
〈第4条・ストーリー化〉
 進学シーズンにあわせて、学生服店が発送するDMの話。以前に自店で購入歴のある顧客を対象にDMを送った。同封したのは「ガンバレ!必勝 合格祈願カイロ」と名づけた使い捨てカイロだ。「この必勝カイロを手にした人が毎年合格しています。入試合格を願って必勝カイロを贈ります」。学生服店は後に、「おかげで合格したよ」という、最もうれしい反応を客から受け取ることになる。
「招客招福」の店主解剖
 「繁盛店」には理由がある。近所に競合チェーンが開店したり、郊外の大型店に客を奪われたりと、逆風は絶えず吹く。それでも顧客と誠実に向き合い、関係を築いていく、そんな商売の王道の先に、顧客はおのずとついてくる。K氏のコラム「招客招福の法則」に登場した繁盛店のカリスマ店主たちから、試行錯誤を経て体得した招客のツボを学ぶ。
1.笑い交え知識伝授「K酒店」
 後ろの自動ドアが閉まると、突然、目の前にヒモでぶら下がったネコの人形が降りてくる。K酒店(愛媛県八幡浜市)はまず‘笑い’で客を迎える。自動ドアの開閉を利用した簡単なアイデアによって、一瞬で客を和ませてしまう。「ユーモアやバカバカしさを理解してくれる客が来てくれればいい。」
 店主はKさん(42)、大正時代から続く酒販店の三代目だ。先代が亡くなった1999年から店を継ぎ、独自色を出す。ネコ好きの妻に促され、ネコの絵や雑貨を集めたコーナーを2年前に設置してからは中高生も出入する。
 「ビールを正価で売る店」として、「招客招福の法則」で取り上げたのは2004年9月。それ以来、多くの問い合わせや視察を受けたが、招客のツボを正しく理解してもらうのは簡単ではなかった。「なぜ、ビールを値引きせずに売れるのか」、そんな魔法があるものか、という疑いのまなざしに、K酒店のネコは笑って応える。「顧客との関係づくり、それに尽きるんです」
 手書きのPOP(店頭販促物)に託したお客へのメッセージはありきたりではない。例えば、ベルギービールには「人生を変えるかも」。あるドイツワインの前には「異性を口説く専門ワイン」。「客に少し疑問を持たせることが大切。店主に話しかけるきっかけを作り、会話によって商品と店を信用してもらう」
 Kさんの殺し文句は「いや実は・・・」だ。商品に関する勉強を重ね、うんちくを覚えておく、質問を誘っておいて、笑いと知識の絶妙なバランスで客をひきつける。とはいえ、計算づくの仕掛けではない。「お客さんとのコミュニケーションが好きなだけ」だ。
 来店客には趣味や好きな酒などを尋ねる‘お客様カード’を記入してもらい、次回からの接客の参考にする。
 「客が単に酒を飲みたいといっても、その心境はさまざま」。会話から客の微妙な気持ちを汲み取る。その上で、商品説明すると、値引きなどをしなくても必ず売れるという。例えば少し暗い顔をした客には、冗談を交えて励ましながら超辛口の日本酒を勧めるといった具合だ。

 約40平方メートルの店舗面積で月商平均は300万円。利益率が10%を下回る酒販店が多いなか、同店は35%と高い。
 そんな売り方にたどり着くまでには曲折もあった。若い頃、先代の反対を押し切って珍しい酒を並べたが、全く売れなかった。一方、幹線道路沿いに安売り店が相次ぎ出店。「『何を置けば売れるか』よりも『どうすれば、それを客が欲しがるようになるか』という問いこそが商売の秘訣」との考えにいたった。
 ニューズレターの発行とネット通販を始めて4年たち、今では全国に顧客を抱えるまでに。「焼酎はあまり扱わない。あまり好きじゃないから、自信を持ってお客さんに勧められないことが多い」。正直な接客が、客の関心を価格から商品そのものへと移してしまう。
 2.手間暇かけ絵付き手紙「N薬局」
 東京・浅草の馬場通リ沿いにある「N薬局」。来店客の多くは店を切り盛りする「ネオママ」ことTさんを慕ってやってくる。固定客を通リ越し、店のファンと呼べる人も少なくない。人気の秘密は手づくりのニューズレターと手紙だ。
 不定期発行のニューズレターはTさんの手書き文字にイラスト付きで、淡いピンクの台紙にカラーコピーを利用。冊子は豪華というより手づくりから来る温かみある。内容は季節のエッセー、読書からの投稿と続き、最後におすすめの商品情報と浅草のイベント情報で締めくくる。
 一通当たりのコストは200〜300円。同店のカード会員のうち、POSデータで一年間の粗利益が1,000円を超える400人を割り出して送付する。買い物額にして3,000〜4,000円程度。投稿用紙と注文書も同封する。注文が来るのは毎月2、3件程度だが、同店が推奨する2万〜3万円の商品だから価値はある。
 「招客招福の法則」で取り上げたのは2005年2月。その1ヶ月前に、ある商品のキャンペーン販売で関東4位に入賞し、発売元の会社から表彰を受けた際の出来事がきっかけだ。
 約90人の客にお礼を送ると「今度は1位になろう」と応援の返事が舞い込んだ。「『2年後に1位』という目標を決めたら、毎日を無駄に出来ないと思うようになった」(Tさん)
 ニューズレターを始めたのは3年ほど前。相当な手間隙をかけるため、「2時間眠れない日もある」(Tさん)。それでも特売商品の値段書きに忙殺されるよりはいい、と割り切った。
 そんな熱意がファンへも伝染する。昨年春、キャンペーン販売で「あと7、8本買ってもらえば」との手紙を9人に送ったところ、7人が応じた。2万円の商品だった。休業日の日曜日、表彰でもらったマグカップで、そんな客にコーヒーをごちそうする。
 多いときで1,200人いたカード会員は今、700人程度に減少。それでも同店が推奨販売する商品の売上は3年前に比べて50%伸びた。
 店頭には、Tさん自身が編み出したキャッチコピーと、サンプルの使い方を解説したイラスト。
 「店頭で説明しても、お客さんは帰宅した後で忘れてしまうだろうから」(Tさん)。そんな心遣いが、「客が応援したくなる店」の根底にある。

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本シリーズは、接客スキルを対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界
の実務事例をもとにした経営情報をご提供していきますので、次回のテーマにもご期待下さい。
また、「こんなテーマをとりあげてほしい。」や「こんなテーマの経営情報がほしい」というリクエスト
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バックナンバー
8月号 まちづくり・コンパクトシティ@
9月号 まちづくり・コンパクトシティA
・10月号 まちづくり・コンパクトシティB
11月号 まちづくり・コンパクトシティC
12月号 新規創業・第二創業
07.1月号 シニアマーケット
07.2月号 消費動向
07.3月号 新卒者教育・育成

07.4月号 新卒者教育・言葉遣い
07.5月号 コンパクトシティ

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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする      
NMR Win News!!       2回発行/月   2007.6.16   Vol.22      
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/                            
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ここ数年で、老若問わず、おしゃれや身だしなみに注目する男性が増えました。
ショッピングモールや百貨店などでも、男性向け商品の売り場の面積を増やし、商品を充実させているようです。
このようなマーケットの同行をいち早く察知し、店舗運営に取り入れる・・・ このような対応ができるかできないかで
経営状況を左右するといっても過言ではありません。
こんな観点でメールマガを活用いただければと願っています!!

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全2回シリーズ 『接客スキル』

第2回 常連増やす共感の接客術

 車椅子利用者や高齢者など旅に障害があるという人々を対象に「バリアフリー旅行」を企画しているB社(東京都中央区)。障害者は千差万別。その要求に応えて充実した旅を表現するのは容易ではない。T社長(41)は苦情を聞き逃さず、お客の気持ちに寄り添う「共感のマーケティング」が信条だという。
 ファッション好きが衣料品店に入社すると、自分好みの品揃えにこだわり、お客そっちのけとなることがある。同時に、旅好きの旅行会社員はえてして旅行客の希望よりおすすめコースの売込みに走りがち。
 「旅行のプロに不可欠なのは旅好きなことではなく、旅行者の世話をすることに喜びを感ずる心だ」
 こう語るT社長はN社などを経て1999年にB社を設立した。「顧客ごとの欲求に応じた手づくりの旅行をしたい、とりわけ障害者や高齢者にそうしたサービスが求められている」と感じたからだ。
 B社の会員登録者は3,000人おり、実際に同社の旅行に参加しているのは250人程度、頻繁に利用する人は約80人という小さな会社だが、リピート率は9割を超える。
 典型的な顧客は定年を前に脳梗塞などで倒れた中高年者。「夫婦での海外旅行を楽しみにしていたのに散歩も不自由」と嘆く彼らの気持ちに寄り添う共感マーケティングのスキルを向上させる。
 顧客の障害と旅の好みは十人十色。知的障害か身体障害か。障害の程度や精神状態、世話する家族の構成はどうか。一人旅がしたいのか、家族同伴か・・・。
 同社は問い合わせのあった顧客から、これらを事前に聞きだし、各人の旅のカルテを作る。「カルテがしっかりしていれば、旅行時のミスや不満を減らせ、より安心で楽しい旅が実現する」(T社長)
 当然旅行プランはオーダーメード。例えば。
 @都内の自宅-羽田空港(介護タクシー利用)A羽田-松山空港(車椅子で飛行機に搭乗)B松山空港-道後温泉(介護タクシー)C道後温泉(バリアフリー温泉の客室手配)・・・。
 目が不自由な人の一人旅なら、それを受け入れるホテルを事前に手配してその旨、連絡する。
 添乗員がつく場合はサービスの質は高まるが、それでも問題はしばしば発生する。例えば「風呂場のシャワーで湯と水の切り替え取っての使い方がわからず、寒い思いをした」と翌朝になって話す人もいる。
 T社長は添乗のとき「何かあれば夜中でもいつでも私の部屋にすぐ連絡してください」と伝えている。だが、障害者や高齢者は「普通の人よりも手間をかけさせているのだから、この程度のことでわずわらすことはできない」と我慢してしまう人が少なくない。
 嫌われて次の旅行参加を断られたら困るという気持ちもある。その弱い立場を理解しなければ、次の依頼も来なくなる。
 「クレーム(苦情)はサービス業にとって貴重な財産。ほとんどの客は不満があっても黙っている。次からその店に来なくなるだけ。一つ苦情があれば実際には百人が同じ不満を持っていると思います」
 だからT社長は、利用者が控えめに語るさりげない言葉にも耳を傾けるようにしている。最近も利用者の一人から旅行後、こんな手紙をもらいハッとしたという。「あれだけ手間をかけてくださったのだから、料金が高いのも仕方ないと思いました」。感謝の礼状に読めるが、実は料金に不満があったのだ。
 同社の旅行料金は通常の旅行会社のツアーより3割ほど高い。手間がかかる分、一つの旅行の人数が添乗員付きでも3〜5人程度と少ないことが多いからだ。このため、高いのは当然と安易に構えている点があった。「もっと効率的にやればサービス水準を落とさずに参加者を増やし、料金を下げることも可能だ」と反省しているという。
 ただし、中には依存心が強すぎて「障害者にサービスするのは当然」とばかり次々に要求を繰り出す人もいる。同行する旅行参加者を不愉快にし、迷惑をかける場合もある。事前調査は、そうしたわがままな客を排除するためでもある。「当社は社会人としてのルールや礼儀を守ってくれる人でなければ参加を断ります」と事前の注意もする。
 とは言え、わがままときめ細かい要求の境界はあいまいだ。基本ルールの提示のつもりがサービスする側のおしつけや怠慢だったという危険は常にある。その際、T社長が戻る原点は顧客への共感。納得できる要求かどうか。そこからすべてのサービスが始まると考えている。


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本シリーズは、接客スキルを対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界
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