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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「乾杯」 人を喜ばせられたという実感が感動に ぶつかり合いを経て生まれる達成感
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【バックナンバー】 ・8月号 まちづくり・コンパクトシティ@ ・9月号 まちづくり・コンパクトシティA ・10月号 まちづくり・コンパクトシティB ・11月号 まちづくり・コンパクトシティC ・12月号 新規創業・第二創業 ・07.1月号 シニアマーケット ・07.2月号 消費動向 ・07.3月号 新卒者教育・育成 ・07.4月号 新卒者教育・言葉遣い ・07.5月号 コンパクトシティ ・07.6月号 接客スキル ・07.7月号 マーケティングリサーチ ・07.8月号 2007年問題 企業の積極的な対応 ・07.9月号 企業の人財育成 ・07.10月号 社員の能力評価 ・07.11月号 マーケティングリサーチの手法 ・07.12月号 マーケティングリサーチの設計と分析] ・08.01月号 意思決定支援のための マーケティングリサーチ ・08.02月号 経営改善を図るマーケティングリサーチ ・08.03月号 派遣社員の戦力化対策 ・08.04月号 改正パートタイム労働法 ・08.05月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキル@ ・08.06月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキルA ・08.07月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキルB ・08.08月号 社内資格制度の設計と効果的な導入・ 運営について〔第1〜2回〕 ・08.09月号 社内資格制度の設計と効果的な導入・ 運営について〔第3〜4回〕 ・08.10月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を 図る〔第1〜2回〕 ・08.11月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を 図る〔第3〜4回〕 ・08.12月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を 図る〔第5〜6回〕 ・09.1月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を 図る〔第7〜8回〕 ・09.2月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を 図る〔第9〜10回〕 ・09.3月号 感動職場の作り方 |
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 最高の経験からビジョンを深める 2008年7月7日、F社で新宿、池袋など都心部の店舗開発、店舗指導などを担当する東京第2ディストリクトの100人を超える社員が池袋にある本社の会議室に集合した。「らしさDAY」と呼ばれる1日がかりの意識変革研修に取り組むためだ。研修といっても、講師の話を聴講するわけではない。社員同士がこれまでの仕事を振り返ったり、理想の組織像を語り合ったりするなかで、全社のビジョンと自らの仕事の価値観をすり合わせ、社員一人ひとりがビジョンに則した行動を取れるように意識付けをしてくものだ。研修の最初のメニューである「ハイポイント・インタビュー」では、2人1組で「これまで仕事で経験した最高の出来事」を相互に30分ずつ語り合う。そしてその経験が「あなたの家族になりたい」というF社の中長期テーマとどうリンクするかを、相互に確認していく。リラックスして本音で語り合えるよう、インタビューは会議室から離れ、社外の好きな場所で行うことになった。思い思いの場所に歩を進めた第2ディストリクトのメンバーだが、内心当惑する者も少なくなかった。新宿営業所で加盟店の経営指導を担当するSV(スーパーバイザー)のN氏もその1人だ。ペアを組むK氏とは同じディストリクトながら担当業務も異なり、ほぼ初対面に近い。2人が入ったファミリーレストランには、既に数組のメンバーが席を占めていたが、いずれも「この忙しいのに何やらせられるんだか」「適当に時間つぶそうぜ」と軽口をたたき合っていた。渋々ながらインタビューを始めたが、「最高の仕事の経験」を振り返る過程で徐々に熱がこもってきた。N氏がK氏に語ったのは、入社直後に担当した北関東ディストリクトでの体験だった。営業所のメンバー同士の仲がよく、休みの日に一緒にバーベキューやスキーに出かけた。加盟店の店長との付き合いも密で、夕食をともにすることもあった。加盟店の大半は個人オーナーが経営するフランチャイズ(FC)店だが、家族の生計を支えるだけの利益を上げるのがやっとという店もあった。「コスト削減を続けながら何とか経営を続けていた店の正面に、ある日競合店が開店した。オーナーや家族と一緒に自分も泣いた」。N氏は語り続けた。「東京は法人経営のFCが多く、オーナーと深い付き合いをすることも減ったが、北関東での経験は自分の仕事の原点だと思っている」。N氏の話にずっと耳を傾けていたK氏はつぶやいた。「それって家族だよね」。「あなたの家族になりたい」という企業のテーマと、N氏が大切にしてきた経験が重なり合った瞬間だった。K氏はらしさDAY終了後の感想に「N氏の話を聞いて感動した。参加してよかった」と記した。 体験を聞いて感動を連鎖させる らしさDAYは4年目を迎えるF社の「らしさ活動」を新たなフェーズに引き上げる試みだ。らしさ活動では、気軽に立ち寄れる親しみやすさと、コンビニエンスストアを超える「おもてなし(ホスピタリティー)」を両立するという企業ビジョンを全社に浸透させ、社員一人ひとりがそれを実現する行動を取るように促していく。2005年の活動開始以来、全部門から選ばれた60人の「らしさリーダー」を核に、各部門でどうしたら「F社らしさ」を実現できるかを話し合ってきた。ここから本格志向のパスタなどのヒット商品が生まれたり、店舗での顧客サービスを向上する細かい気配りの事例を全社で共有したりといった成果が生まれた。その貢献もあって2008年2月期には大手コンビニチェーンで唯一、既存店の売り上げが前年比でプラスに転じ、タスポの導入などがコンビニ業界全体に追い風となった2009年2月期は、好調ぶりに拍車がかかっている。しかし活動の事務局を努める総合企画部マーケティング・CRMグループマネジャーのI氏は、これまでの活動に限界を感じていた。「サービス事例を出してくるのは一部のディストリクトに限られるなど、部門による温度差があった。社員一人ひとりが活動に対する真の理解と納得感を持たなければ、せっかく良い事例を共有しようとしても社員はやらされ感を持ってしまう」。こうした反省を踏まえてI氏は、社員全員がらしさについて話し、考え、「自分ごと」としてとらえる機会を持とうと考えた。こうして企画されたのがらしさDAYだ。6月後半から全国21のディストリクトで「らしさDAY」が順次開催され、本部を含む約3000人の社員全員が参加した。夏の繁忙期に全社員が1日を研修に費やすのは「業界でも前代未聞」(I氏)のことだったが、「それだけの価値がある」と説き続けたI氏の信念が社長のU氏をはじめとする経営トップを動かした。らしさDAYのプログラムは、心理学をベースにしたAI(アプリシアティブ・インクワイアリー)という手法に則っている。ハイポイント・インタビューとそれに続くチームでの価値観の共有、「らしさ」を表すオブジェの作成といったアクティビティーを通して、自分の仕事とF社という企業への適合感を醸成していく。「日ごろ見ることが少ない同僚や部下の頑張る姿に感動することが自ら動き出す原動力にもなる」とI氏は話す。
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