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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする      
NMR Win News!!       2回発行/月   2009.2.1   Vol.61      
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/                            
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 今年の冬も、インフルエンザが猛威をふるい、小学校ではインフルエンザによる学級閉鎖なども
多くみられます。
会員の皆様の周りでも流行していることと思いますので、体調管理とインフルエンザ対策には
十分お気をつけください。

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全10回シリーズ 『接客で感動を与える 競合との差別化を図る

第9回 感情は複雑心込め応対

顧客には、できれば重んじられたい、自分の考えを認めてほしい、自分そのものを受け入れてほしい、という感情がある。それぞれ、「重視」、「承認」、「受容」と呼ぶが、それぞれ配慮すべき感情である。店舗の「馴染み客」や「上位顧客」は、他の顧客よりも重視してほしいという感情を持っている。自分の感覚や好みに自信を持っている顧客は、それを認めてほしいという要求を持っている。新規に来店した顧客は、受け入れてほしいという感情を持っている。顧客が好むスタッフとは、こうした気持ちをくんで接客してくれるスタッフである。顧客の気持ちは単純ではない。例えば「他の顧客と同じような商品がほしい」と思う一方で、「同じ商品ではイヤだ」という思いもある。他人と同じ商品が欲しいと思う気持ちは、仲間はずれにはなりたくない、という帰属意識からきている。人とは違う商品がいいという気持ちは、自分をアピールしたいという欲求の現れだ。顧客によって、こうした相反する感情のバランスが微妙に異なる。複雑な顧客心理まで含めて理解するのが本当のプロの販売スタッフだ。これは商品販売だけではなくサービス業の接客にも当てはまる。逆に顧客が好まないのは、いかにも新人のように見えたり、商品知識が十分でなかったり、話し方に気遣いや配慮が感じられないといったケースである。そうしたスタッフには、顧客は心を閉ざしてしまい、自分の希望や、欲しい商品のイメージを伝えたいと思わなくなる。こうなってしまうと、どんなにがんばって接客しても効果はあがらない。家電やファッション関連商品など、接客次第で売上げの数字が左右される店舗のスタッフは、特に注意したい。顧客には、どんな商品を選ぶのかを、自分自身で考え、そのうえで商品を決めて購入するという人も多い。そんなタイプの顧客に対して商品説明を必要以上に行うのは、単にスタッフの商品知識をひけらかすだけに終わり、逆効果となることさえある。商品説明は適度なペースで話し、応対や言葉遣いに心がこもっていることが大切だ。顧客の買い物意欲を失わせない配慮があふれているのが、満足できる店舗なのである。しっかりしたスタッフに接客を受け、気持ちよく買い物をしたい、と思うのは当然の顧客心理である。接客の際には顧客の心の動きに注意を払い、十分配慮して適切な対応をしたい。

4つの「P」販売に応用

マーケティングの基本的な考え方で、販売活動に不可欠なものに「4つのP」がある。「プロダクト」「プライス」「プレース」「プロモーション」の4つだ。今回は、「4つのP」を小売業の現場に当てはめて考えてみよう。プロダクトとは「製品」のことで、小売業では商品そのものにあたる。プライスは「価格」で商品の販売価格を指す。プレースは「場」で、小売業では「売り場」のこと。プロモーションとは「販売促進」であり、「陳列やPOP(店頭販促物)、提案」にあたる。プロダクト(商品)についての理解を深めておくことは、接客販売においてもとても大切だ。例えば、家電専門店でパソコンを売る場合、販売スタッフが機種ごとの違いや特徴も含めた商品知識を身に付けておくことが欠かせない。プライス(販売価格)については、どんな値付けをすれば商品がよく売れるのか注意を払う必要がある。「プレース」(売り場)に関しては、商品を売り場のどこに置いて売れば最も効果的か、常に考えるようにしたい。いずれも商品を販売するにあたって重要だが、接客に関して言うと、中でもプロモーション(販売促進)が大切になる。
顧客に対して商品説明する際は、その機種や機能について理解しているだけでは不十分だ。実際に商品を購入して使った場合、その機能が顧客にとってどんなプラスがあるのか、説得力のある説明ができるようにすべきだ。価格についても、ただ単に覚えておくだけではなく、それぞれの商品の価格の違いにどんな意味があるのかを説明できる能力が求められる。同じ価格であればどの機種がお買い得なのか、価格が上の商品はどこが違うからそれだけの値打ちがあるのかを、うまく示せることが大切だ。さらに、商品購入後まで考え、たとえばメーカーごとのサポート体制の違いなどについても説明ができると、顧客は喜ぶだろう。売り手である店舗のスタッフが一〇〇%売り手側にたって販売するのではなく、顧客の立場からアドバイスができることが重要なのだ。例えば、前述のパソコンなら、顧客の習熟度に合わせた親切な対応がどこまでできるかが売り上げを左右する。実際に自分が使う立場になって、親身になって教えてくれるスタッフには、顧客も信頼を寄せることだろう。

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本シリーズは、「接客・サービスの重要性」を対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界の実務事例をもとにした経営情報をご提供していきますので、次回のテーマにもご期待下さい。
また、「こんなテーマをとりあげてほしい。」や「こんなテーマの経営情報がほしい」というリクエストなどがございましたら下記メール宛にご要望をお寄せ下さい。
このメルマガは、皆さんのニーズにしっかりと応えたものにしていきたいと考えております。

リクスエト・ご要望などはこちらへ winmembers@nmr-inc.jp



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バックナンバー
8月号 まちづくり・コンパクトシティ@
9月号 まちづくり・コンパクトシティA
・10月号 まちづくり・コンパクトシティB
11月号 まちづくり・コンパクトシティC
12月号 新規創業・第二創業
07.1月号 シニアマーケット
07.2月号 消費動向
07.3月号 新卒者教育・育成

07.4月号 新卒者教育・言葉遣い
07.5月号 コンパクトシティ
07.6月号 接客スキル

07.7月号 マーケティングリサーチ
・07.8月号 2007年問題 企業の積極的な対応
07.9月号 企業の人財育成
07.10月号 社員の能力評価
07.11月号 マーケティングリサーチの手法
07.12月号 マーケティングリサーチの設計と分析
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08.01月号 意思決定支援のための
        マーケティングリサーチ
08.02月号 経営改善を図るマーケティングリサーチ

08.03月号 派遣社員の戦力化対策
08.04月号 改正パートタイム労働法
08.05月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキル@

08.06月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキルA
08.07月号 達人に聞いたプレゼンテーションスキルB
 
08.08月号 社内資格制度の設計と効果的な導入・
        運営について〔第1〜2回〕

08.09月号 社内資格制度の設計と効果的な導入・
        運営について〔第3〜4回〕

08.10月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を
        図る〔第1〜2回〕

08.11月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を
        図る〔第3〜4回〕

08.12月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を
        図る〔第5〜6回〕

09.1月号 接客で感動を与える 競合店との差別化を
        図る〔第7〜8回〕

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21世紀に企業成長を躍進する『NMR Win メンバーズ』企業にお届けする      
NMR Win News!!       2回発行/月   2009.2.16   Vol.62      
株式会社NMR流通総研 http://www.nmr-inc.jp/                            
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 2月も半ばまでさしかかると、いよいよ、次年度の事業計画を準備する時期になってきました。
今年度の事業の振り返りを行い、さらに、事業の成長のための事業計画が求められています。
小売業やサービス業の現場では、お客さまの要求は、ますます高度化してきており、今回まで
全10回シリーズで進めてきたお客さまに、より感動を与える接客の重要性も高まってきます。
このような顧客環境の中、本メールマガジンをお役立ていただければ幸いに思います。

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全10回シリーズ 『接客で感動を与える 競合との差別化を図る

第10回 3つの欲求に的確に答える

今回は顧客の欲求について考えてみよう。顧客が店舗に求めている基本的なニーズは三つある。「受容」と「承認」と「重視」だ。「受容」は店舗に「受け入れてほしい」という欲求のことだ。これが一番基本的なニーズとなる。来店した顧客は、店に気持ちよく迎えてほしいと思っている。店に入ってもあいさつをされなかったり、なんとなく冷たい対応をされた気がしたりすると、それだけで顧客の購買意欲は薄れてしまう。あいさつを忘れず、どの顧客にも礼儀正しく応対することは接客業の基本だ。顧客が来店しても「こんにちは」とか「いらっしゃいませ」という言葉がでない店舗は、顧客の「受容」ニーズを満たしていないことになる。
「承認」とは、顧客の要求や好み、考えなどを認めることだ。顧客には様々な好みや考え方があるが、それをまずは認めて、受け入れることが重要だ。だから、顧客に対して「その方法(使い方)は違います」といったストレートに否定する表現は使わないようにしたい。まず顧客の考えを受け入れた上で、「こういう方法(使い方)もあるようです」と提案するなど、やんわりとした表現を使うよう心がけよう。もちろん限度はあるが、ある程度は顧客のわがままを聞くことも「承認」のうちだ。他の店舗では聞いてくれないことでも、この店舗なら聞いてくれると顧客に思わせることが、選ばれる店の一つの条件になる。最後の「重視」は、店に重んじてもらいたいという欲求だ。これにこたえる基本的な方法が、顧客を名前で呼ぶことだ。「○○様」と自分の名前を呼ばれることに、不快感を覚える人はまずいない。ちょっとしたことでも、他の顧客に比べて特別扱いされることはうれしいことだ。自他共に得意客であると認める場合などは、特にそうだ。顧客の来店頻度に合った適切な対応をすることが、顧客の自尊心をくすぐることになる。こうしたニーズにこたえられるよう努力を重ねることで、顧客の心をつかむことができる。始めから、顧客の頭の中などわからない、と考えていては、接客は向上しない。それぞれの店舗で「受容」、「承認」、「重視」の三つの顧客のニーズにきちんとこたえられているか再点検してみてほしい。

リピート客印象が左右

なぜ接客サービスの向上が店舗にとって重要なのか、さらに再認識してもらいましょう。小売業でも、飲食業でも、サービス業でも、スタッフが顧客と直接接する商売であれば、日ごろからどんな応対をしているかで大きな差がつくことになる。例えば、顧客にある商品を扱っているかどうか聞かれたとしよう。ある店舗では、スタッフが今行っている品だしの作業が遅れるために、面倒そうに「その商品はあちらにありますよ」と答える。またある店舗では、スタッフが作業の手を止め、顧客を商品がある場所まで案内し、笑顔で「その商品はこちらです」と答える。飲食店でも、にこやかに応対してくれる店がある一方で、笑顔がゼロの店もある。こうしたスタッフの対応の違いを、顧客はきわめて敏感に感じ取っている。店の居心地の良さ、という無形の価値は、スタッフ自身が思っている以上に重要なのだ。顧客は来店した店舗の印象が良くないと「次は来るのはやめよう」「今日は急ぎだから、買って帰る(食べる・飲む)けれども、次は別の店にしよう」と思う。逆に印象が良いと、「感じのいいお店だね」ということになり、「予定していなかったけれど、今日、買って帰ろうか」「よし、次もここで買おう(食べよう・飲もう)」となる。この違いが、一人の顧客だけでなく、来店する多くの顧客に起こっているとしたら、一カ月、一年と積み重なっていくうちに、とてつもなく大きな業績の差につながっていく。顧客が繰り返し来店している店舗は、何となく選んでいるようでも、印象が良かったから(好感を持ったから)、または、いやな気がしなかったから(落ち度がなかったから)、続けて来店しているのだ。商品が良いから、価格が安いから、味が良いから、という理由で、接客サービスに力が入っていないとしたら、それは大きな損失だ。現在は店舗間の競争が激しく、扱っている商品そのものや価格では他店との違いは出しにくい。違いを鮮明にするのは接客サービスの水準ということになる。売り上げがなかなか伸びない厳しい時代には、繰り返し来店してくれるリピート客を一人でも増やしていく意識が大切だ。そのために不可欠なのが、接客水準の向上だ。ぜひ、自店の接客サービスに、磨きをかけてもらいたい。

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本シリーズは、「接客・サービスの重要性」を対象にしたテーマですが、このメルマガは、様々な業界の実務事例をもとにした経営情報をご提供していきますので、次回のテーマにもご期待下さい。
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